2021.03.23

【再生可能】~バイオプラスチックはどのように活用される?~

以前、弊社ブログでも取り上げた「バイオマスプラスチック」。
今回は、【バイオプラスチック】についてご紹介致します。

出典)2021.1.26環境省発表 バイオプラスチック導入ロードマップ

上記図が指し示すとおり、バイオプラスチックは、バイオマスプラスチックや生分解性プラスチックの総称です。
両社の特性には一部共通項もありますが、全く同じものではありません。両者の違いを簡単に要約すると、
バイオマス植物をはじめとした、再生可能な資源をベースに製造されるプラスチックです。
一方、生分解性は植物由来で作られるものだけでなく、化石資源からも製造が可能であり、
一定の状況下に置かれた場合、分解されて最終的には水と二酸化炭素に変化する性質を持ったプラスチックです。

バイオプラスチックの展望

令和元年に環境省より公開されたプラスチック資源循環戦略では、
2030年までにバイオマスプラスチックを最大限(約200万トン)導入するよう
目指す
ということのみ示唆されていました。
しかし当年公開されたバイオプラスチックロードマップでは、バイオマスプラスチック、
生分解性プラスチック双方の有効活用、普及促進に向けてもう一歩踏み込んだ取り組みが紹介
されました。

http://www.env.go.jp/recycle/post_58.html
※環境省HP バイオプラスチック導入ロードマップ

目標とする2030年までにはまだ少し猶予がありますが、
ロードマップをご覧頂くとスピード感を持って望まなければならないということが見えてくるのではないでしょうか。
各企業の力を合わせ、目標とする数値達成に向けてどのような事が出来るか。について考えてみても面白いかもしれません。

さて、今回はバイオプラスチックの製造に注力をする海外企業の事例二つをご紹介させて頂きます。
二つ目の取り組みは、海外でも珍しいユニークな取り組みです。

事例でひも解く海外のサーキュラーエコノミー ~バイオプラスチック編~

1.新しいカメリナ品種、種子にバイオプラスチックを持つ
昨年の秋、ダンキンドーナツ(米大手ドーナツチェーン店)は、
約250店舗で新しいストローをテストすると公表しました。
このストローは生分解性であり、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)と
呼ばれる天然化学物質から作られています。Danimer Scientific社が、
ダンキンドーナツで使用されるストローの原料であるバイオプラスチックを提供している。

生分解性ストローの製造に使用されたPHAは、カナダ西部の農家にとって大きなチャンスがあることを示しました。
なぜなら、マサチューセッツ州の会社 YIELD 10社は、
種子にPHAバイオプラスチックを発生させるカメリナ植物を開発したからです。
全て計画通りにいけば、プレーリー(牧草)農家は数万エーカーのPHAカメリナを栽培することが可能となります。
そして、種子に含まれるポリマーは、ストローや買い物袋、持ち帰り用の食品容器などの
バイオプラスチック用途で使用が可能となります。

What Yield10 Bioscience is doing with camelina is a departure from the traditional method, which uses bacteria to turn feedstock such as canola oil into PHA polymers.  | Yield10 Bioscience photo

カメリナの種子を粉砕設備に投入し、粉砕して油を搾取します。そして残った粉砕物からPHAを抽出します。
「種子からポリマーを抽出することは、容器で醸造されたバクテリアを利用してPHAポリマーを生成する方法よりも安価だ」とYIELD10社の代表CEOであるOliver Peoples氏は言います。

全文はこちら(英文)↓
https://www.producer.com/news/new-camelina-variety-has-bioplastic-in-its-seeds/

2. マンゴーマテリアル社、気候変動と廃棄問題と戦うため、メタンをバイオプラスチックに

3人の女性科学者によって設立されたカリフォルニアを拠点とするMangoMaterials社は、
バイオガス廃棄物からのメタンをPHAと呼ばれる生分解性生ポリマーに変換する方法を考案しました。
PHAは、包材や衣類のポリエステルなどの私たちが使用しているプラスチックと置き換えることが可能です。

PHAはポリヒドロキシアルカノエートの略で、従来のプラスチックとは異なり、海洋を含め、
自然環境で分解する事が可能なポリマーです。 地球が自然に作り出すPHAには、
多くの種類がありますが、マンゴーマテリアル社は、YOPP PHAペレットと呼ぶ彼ら独自のPHAを製造し、
事実上すべてのサプライチェーンに導入できるように最適化していると言います。

マンゴーマテリアル社は、バクテリアに供給されている炭素の量を微調整するなど、
PHAが自然に生成される条件を制御することで、高い生産量へ誘導することを可能にし始めています。
また同社は、ここで使用される炭素をメタン生産者から調達しており、我々の活動が放出する豊富なメタンをPHAに変換しています。
全文はこちら(英文)↓
https://www.greenqueen.com.hk/mango-materials-this-startup-turns-methane-into-bioplastic-to-fight-climate-and-waste/

 

いかがでしたでしょうか。

斬新なアイデアを基に取り組まれている今回の二事例。
海外独自のリサイクル活動はやはり目を見張るものがあります。

日本においても、これらの取り組みに負けないような活動が期待されると同時に、
弊社もプラスチックリサイクルに本気で取り組む企業様に最適なご支援ができるよう、
尽力してまいります。

パンテックブログ編集部

まとめ

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