海外営業 K.C 2013年入社

海外マーケットから新たなビジネスの芽を創出

人の役に立つということ

日本に来たばかりの私を待っていたのは、「ない」ことだらけの毎日でした。日本語学校で語学を学びながら、新聞配達や飲食店などでアルバイトをしていたため、アルバイト先の先輩の関西弁は理解できない、自分の思いは伝わらない、かと言って、母国に帰るお金もない―。そんな歯がゆくて悔しいような状況ではありましたが、一度決心したことを投げ出したくはありませんでしたし、もっと自分を信じてみようと思い、「やりがい」を見つける努力を続けてみました。

方法はとても簡単で、何か一つ自分の中に目標を立て、目標が達成できたら次の新たな目標を立てる。ただ、それだけです。他の人にとっては「どうでもいい」ことかもしれませんが、私にとっては目標に向かって日々改善改革をすることで、自分が少しずつ変わっていったような気がします。たとえ、自分だけにしか分からない喜びや達成感であったとしても、長い時間をかけて自分の行動が一緒に働く仲間を助けたり、いつしかお客様を笑顔にしていたりする―。最初は自分のためにと思って行動していたことが、回りまわって誰かの役に立っている、ということを体験することができたのは、自分にとって貴重な経験でした。そして、その経験は、仕事において私の「軸」となっている考え方の礎となっています。

国籍を問わず活躍できる職場環境

私が日本に来て15年という月日が経ちますが、すべてにおいて感謝の気持ちでいっぱいです。外国籍の私が日本で生活し、家族を養って安定した生活を送っていること、休みの日は家族と穏やかな時間を過ごすことができるのも、会社のおかげであると考えています。生活面では、パンテックに入社してから高度人材外国人(高度な専門的知識や技術を有する外国人材)として、高度専門職の在留資格を取得することもできました。「外国人」だからという理由で偏見を持たれていた時代には、働きづらい不自由な思いをしてきた方々も多かったように思えます。しかし今では、日本で働く外国人労働者の職場環境は数十年前と比べ物にならないほど改善がなされています。パンテックでも、ボーダーレスの職場環境づくりが進んでおり、国籍や学歴にかかわらず平等に評価される人事評価システムがあります。おかげさまで2018年7月には部長代理に昇格し、責任もさらに重くのしかかっていますが、その分、仕事での新たなやりがいを見つけられるチャンスをいただいたと前向きに受け止めています。

こうしている今も、母国を離れ、日本のどこかで孤独に頑張っている外国の方も多いと思います。私もこれまで何度もくじけそうな時がありましたが、そんな時は、「がんばってるね」と自分のことを褒めてあげました。そして、もう一度自分を信じてみようと決意して、一歩前に踏み出しました。頑張っているのは自分一人だけではなく、同じような悩みを持った、似たような環境に置かれている仲間がいることに気づき、「もう少し頑張ってみよう」と自分自身を鼓舞してみるのです。そんな日々の連続の先に、思い描いた未来の自分がいるのかもしれません。道は自分で拓くことを教えてくれた仲間、そして、苦しい時もがんばってくれた自分自身にありがとうを伝えたいです。

仕事を生み出す面白さ

今まで様々なチャレンジをさせていただき、海外出張を重ねて現地の実態調査を行い、各国が抱える環境問題の生の声を聴いてきました。新規顧客の開拓は難しいことですが、それ以上に新規顧客と長期的かつ安定的なビジネスができる関係性を構築することが最重要であり、営業マンに求められていることだと考えています。特に、海外営業チームには、安定した「出口」を確保する責任があります。販売先となるエンドユーザーが確保できなければ、国内営業チームは日本国内のサプライヤー様から原料を仕入れることはできません。仕入と販売、需要と供給のバランスが保たれなければ、日本国内の市場に混乱を招きかねません。そのため、私の生み出す仕事がプラスチックリサイクルに関わる多くの人に対して責任があることを常に感じながら、使命感を持って仕事に向き合っている毎日です。

私の仕事は、海外のエンドユーザー様に原料販売をするだけでなく、営業チームの一つひとつの案件に「最適解」を提案する仕事でもあります。私が心がけていることは、「経営者目線を持つ」ということです。樹脂相場の市況や需給バランスは常に変化し、国政や経済状況などの外的要因によって大きく影響を受けるため、正確な情報の裏付けと潮の流れを読み間違えることなく最適なタイミングで決断することが求められます。仕入れたプラスチック再生原料を適正なリサイクルルートで、最適なエンドユーザー様へ届けたい思いがあるので、仕入の前から再生原料の情報を細分化して、より細かいニーズに応えられるよう努めています。私が、パンテックという組織を一言で表すとしたら、「走りながら考える集団」であると言えます。

判断基準となる「ものさし」を軸にする

人は誰しも怠け者の部分を持っているので、楽な方へ楽な方へと身を委ねてしまいがちです。バックグラウンドがまったく異なる我々パンテックのような企業組織にとって、あらゆる物事の良し悪しを判断する「ものさし」となるものが最も重要だと考えています。それが企業理念であり、理念に基づく理念経営が社員一人ひとりに求められます。共通の「ものさし」という判断基準が統一されていれば、自分や一緒に働く仲間が違った方向に進もうとするのを諭すことができますし、「ものさし」があることで考え方の原点に立ち返ることができます。

いままではアジアを商圏としたビジネスがメインでしたので、私が所属する海外営業チームのメンバーはアジア圏の外国籍社員で構成されていました。しかし、アジア圏に留まらない世界全体を商圏とするビジネス展開に伴い、ここ数年で様々な国籍を持つ仲間が加わり、社員の層が厚みを増しています。そんな中、外国籍社員への教育という新たなチャレンジが始まり、トライ&エラーを繰り返す毎日を過ごしています。教育の難しさに悩んでいる私に、「違いはマイナスではなく、プラスに捉える」という言葉を上司がかけてくれました。国籍が違えばいままで生まれ育った環境や経験してきたこともまったく異なるため、物事に対する見方に違いが出るのも当たり前のことなのです。正解がどこにもないからこそ悩みは尽きませんが、上司がかけてくれた言葉で少し気持ちが楽になり、教育に向き合う心持ちが前向きになったような気がします。

私が後輩によく伝えているのは、「どんどん失敗してください」ということです。失敗を恐れて一歩を踏み出せない人がいたら、それはもったいないことだと思います。そのため、私が最初に指導するのは、失敗を恐れない気持ちを持ってもらうことです。後輩の失敗は後輩にとっての大きな学びになりますし、失敗から教訓を得られればそれは失敗ではないというのが私の考え方です。失敗を恐れずに挑戦できる社風があるからこそ、できることなのかもしれません。もし、今の私に部下や後輩ができていなかったら、おそらく私の成長は止まっていました。自分が指導を行う立場となり、一つ高い次元で物事を考えることで視野が広がって、自分の役割をより明確にするきっかけとなりました。このような常にチャレンジできる環境があることに日々感謝し、これからもまだ見ぬ自分の可能性を見出していきたいです。