2020.10.23

廃プラスチックの売却先に求めることは、リサイクルフローの確実性と透明性の高さ

生活協同組合コープしが様

リサイクル会社に廃棄物を引き渡しただけでは、排出元の責任を果たしたとは言えません。求められた時に情報を開示できるよう、最終的に資源化されるところまで見届けられることが重要です。

生活協同組合コープしがは、独自の環境政策のもとで、個人宅配事業や物流センターから排出される廃プラスチックのリサイクルに取り組んでいます。廃プラスチックの売却先としてパンテックを選び続けている理由を伺いました。

● 生活協同組合コープしがについて

151008BvZBakJY滋賀県内の4生協合併により1993年に発足。県内10か所の無店舗事業センターを拠店とする「宅配事業」(共同購入および個人配達)を軸に、滋賀県民のくらしをサポートしている。「店舗事業」では2014年に店舗政策を一新。2015年2月27日、第一号店として生鮮品・惣菜から日用雑貨まで品揃えしたスーパーマーケットタイプのコープぜぜ(大津市)の移転出店を果たした。さらに第二号店として2015年度中に守山店の出店を計画している。また環境面では、1995年に独自の環境マネジメントをスタートさせ、環境保全、産直・地産地消、温室効果ガスの削減、廃棄物の削減と資源化に取り組んできた。滋賀県全世帯の25パーセントが加入。組合員数は16万人を越える。本部所在地;滋賀県野洲市。リサイクルセンター所在地;近江八幡市。職員数;約700名(2014年3月現在)。

新しいウインドウで開きます生活協働組合コープしが

Press1:
環境政策に基づいた廃プラスチック資源化の取り組み

Q:御社のリサイクル事業をご紹介ください。

弊社は現在、2010年度に策定した「2020年に向けた新たな環境政策」(以下、環境政策と表記)のもと資源循環事業に取り組んでいます。

環境政策は、環境問題に対する今後の生協の展望を作り出すために策定したもので、低炭素社会、自然共生社会、循環型社会に基づく持続可能な社会の実現に向けて4つのテーマを掲げています。現在のリサイクル事業は、その中の1つ「事業からの廃棄物の削減・ゼロ化」に沿ったものであり、事業活動から排出される廃棄物を可能な限り資源化し、社会に循環させることを目指しています。

このような取り組みをより強力に推進するため、2012年度には環境リサイクル事業を開始しました。旧リサイクルセンターは、物流センターとは離れた場所にありました。そのため物流センターに回収・集積された廃棄物を、移動させる必要がありました。また廃棄物を削減するには、資源化する廃棄物の種類も増やす必要があり、そのために発泡スチロール減容機などの設備機器を導入する必要もありました。設備機器を導入するには、そのためのスペースも確保しなければいけません。環境リサイクル事業の業務効率化と環境整備のために、物流センター内にリサイクルセンターを移転しました。

コープしがの事業に由来する廃棄物は、主に委託先の物流センターと組合員のご家庭で排出されます。最も多いのは、組合員のご家庭です。そこから回収して資源化しているものは、カタログ・チラシ、卵パック、牛乳パック、ペットボトルなどの他、配達する際に冷凍・冷蔵食品を入れる発泡スチロール箱の内側にセットする内掛け袋です。
また、物流センターでは、輸送用の梱包材が排出されます。商品が入ったケースを束ねるための結束バンド、輸送時の荷崩れを防止するためのストレッチフィルムなどを、リサイクル会社に有価物として売却することで資源化しています。
このリサイクル事業によって得られる事業収益は、リサイクルセンターの運営費用に充当しています。

 

Press2:
組合員家庭と物流センターで排出する廃プラスチックをパンテックへ売却

Q:パンテックとの取引状況を教えてください。

弊社は2009年以来、パンテックに弊社事業から発生する廃プラスチックを再生原料として売却しています。

現在、売却している廃プラスチックは宅配事業で発生する容器包装資材と物流センター業務で発生する梱包資材がメインです。

A.宅配事業で発生する容器包装資材
宅配で発生する容器包装資材には、(1)内掛け袋と(2)発泡スチロール箱があります。組合員宅に配達する商品のうち、冷蔵・冷凍食品は、発泡スチロール箱に内掛け袋をセットしてお届けしています。これらは配達担当者が次回配達時に、卵パックや牛乳パック、チラシなどと一緒に回収して、リサイクルセンターに持ち帰ります。

B.物流センターで発生する梱包資材
物流センターで発生する梱包資材は、(3)ストレッチフィルム、(4)結束バンドです。(3)はパレットに載せた荷物が崩れるのを防ぐために使用されており、(4)は商品ケースの結束に使用されています。いずれも商品の荷解きをする際に発生します。

150508vaEvSOXM以上4種類の廃プラスチックは、全てパンテックとの取決めに沿った形に加工した上で、週1回のペースでパンテックの回収拠点へ持ち込んでいます。

この他、イレギュラーなタイミングで売却しているものに、組合員宅へ常温の商品をお届けする際に使用する通函(オリコン)があります。通函はPP製とPE製があります。これらは数年ごとに更新するため、そのタイミングで不要になったものを売却しています。

Q:廃プラスチックの回収フローを教えてください。

原則として一週間に一回、パンテックの提携倉庫へと出荷しています。

いずれも当社の物流センター内で運営しているリサイクルセンターから出荷していますが、それぞれに応じた減容機で加工した上で所定の場所で保管し、原則として一週間に一回、パンテックの提携倉庫へと出荷しています。

(1)内掛け袋…
圧縮梱包機で減容し、「HDPEフィルム圧縮品」に加工します。

(2)発泡スチロール箱…
発泡スチロール減容機で減容し、「PSインゴット」に加工します。

(3)ストレッチフィルム…
圧縮梱包機で減容し、「LDPEフィルム圧縮品」に加工します。

(4)結束バンド…
圧縮梱包機で減容し、「PPバンド圧縮品」に加工します。

 

Press3:
リサイクル事業の拡大とともにパンテックとの取引量も拡大

Q:パンテックとの取引が始まった経緯を教えて下さい。

コープしがでは、パンテックとの取引が始まる以前から、廃棄物の削減と資源化を進めて来ました。

150508wxTw3Tbnプラスチック系では、内掛け袋(HDPEフィルム圧縮品)を、現在同様の減容加工を施した上で、リサイクル会社へ売却していました。しかし、2008年9月のリーマンショックの時期に引取り価格が不安定となったため、売却先を開拓しました。パンテックとの取引は、その頃スタートしました。
廃プラスチックは、有価物として評価されなければ「産業廃棄物=ゴミ」として廃棄しなければいけません。しかし、パンテックは、その当時も安定的に廃プラスチックの資源化に取り組んでおり、弊社も安心して取引を開始することが出来ました。2009年度、2010年度は、パンテック以外のリサイクル会社との取引も継続していましたが、2011年度からは、パンテックに絞って売却するようになりました。

Q:これまで取引内容はどのように推移してきましたか?

2009年度の取引開始当時と比較すると、現在の取引量は、取引を開始した当時と比べて3倍以上に増えています。

2009年度から2010年度までは、最も排出量が多い内掛け袋(HDPEフィルム圧縮品)のみを売却していましたが、環境政策に基づいて廃プラスチックの資源化をより推し進めたことで、廃プラスチック全体の販売量が増えたことが要因です。
まず、2011年度に、従来から稼働していた圧縮梱包機をより有効活用するため、ストレッチフィルム(LDPEフィルム圧縮品)、結束バンド(PPバンド圧縮品)のリサイクルを始めました。
また、2012年度(2013年1月)には、環境リサイクル事業がスタートし、その一環として発泡スチロール箱のリサイクルに本格的に着手しました。この際に導入した発泡スチロール減容機はパンテックから購入したものです。

 

Q:発泡スチロール減容機をパンテックから購入した経緯を教えて下さい。

発泡スチロール減容機は大きく分けると溶解タイプと圧縮タイプがあります。

溶解タイプは200℃の高温で溶かすため減容率が高く、機械そのものがコンパクトなため設置場所に困らないことが長所です。圧縮タイプは、圧縮する時に出る低温の熱で固めるため匂いが出ないことが特徴です。
弊社は両タイプを比較検討した結果、匂いが発生しないため環境に優しく周囲に迷惑をかけない圧縮タイプを選択しました。弊社の物流センターは、他社の倉庫を借りて運営しています。弊社以外にも、様々な企業が入居していることに配慮しました。また、パンテックから購入した理由は、圧縮タイプの中でも、限られたスペースに設置できて、コストと処理能力のバランスが最も取れている機械をご提案いただいたからです。

Press4:
売却先に求めるのはリサイクルフローの確実性と透明性の高さ

Q:廃プラスチックの売却先をパンテック1社に絞り続けている理由をお話し下さい。

リサイクルフローの確実性と透明性の高さが最大の理由です。

1505081L6vfI5c私たちは環境政策のもとでリサイクル事業に取り組んでいますが、リサイクル会社に廃棄物を引き渡しただけでは、排出元の責任を果たしたとは言えません。組合員に対する責任という意味でも、求められた時に情報を開示できるよう、最終的に資源化されるところまで見届けられることが重要だと考えています。パンテックは独自のトラッキングシステムを構築して提供するなど、排出元に対して情報開示を行い、リサイクルフローを明確にしています。もちろん、資源化で得た収益でリサイクルセンターの運用を維持している以上、引取り価格は重要ですが、リサイクルフローが不透明な業者にはいくら高い価格を提示されても売却することは出来ません。

Q:リサイクルフローの確実性・透明性の高さは、どのようなところで確認できますか?

国内での処理工程に関しては、実際に目で見て確かめることが出来ます。

取引を開始した直後には、弊社の環境マネジメントの審査委員がパンテックに伺い、リサイクルフローを確認しました。また、組合員による視察の要望にも気軽に応じていただいています。海外でのリサイクル工程を動画でご案内いただいた他、廃プラスチックが運ばれる提携倉庫も何度か見学させていただきました。
パンテックの廃プラスチックの販売先は、中国や東南アジアを中心とする海外であるため、全行程を実際の目で確かめるわけにはいきません。しかし急な視察の要望にも迅速に対応していただくなど、情報を開示している姿勢は高く評価できます。
パンテックと取引を開始した後も、いくつかの企業が提案に来られましたが、全て価格優先でリサイクルフローにまで踏み込んだ提案はないため、具体的に商談を進めるには至っていません。

Press5:
スタッフのフットワークの軽さを評価

Q:普段、パンテックと連絡を取り合う中でのスタッフの対応はいかがですか?

スタッフの対応にも満足しています。

パンテックとの日頃の連絡は、リサイクルセンターの担当者が行います。週に一回、出荷調整の連絡をする他、ドライバーの手配の都合上出荷ができない時、さらに通函などスポットで出荷したいものが発生した時などに連絡しています。取引開始以来、イレギュラーなケースが発生した場合でも、トラブルなく対応してもらっています。

その他、非常に助かっているのが、発泡スチロール減容機のメンテナンス対応です。

発泡スチロール減容機の設置場所は倉庫の一角です。荷物の出し入れが激しく、機械のトラブルが発生しやすい環境です。発泡スチロール箱は嵩張る(カサバル)ため、減容機が止まってしまうとスペースが取られ非常に困ります。スペースが限られているため当日中に処理したいのです。そこで発泡スチロール減容機にトラブルが発生すると、パンテックのメンテナンス担当者に連絡します。するとすぐ駆けつけてくれます。つい先日も機械トラブルがあり相談していました。その時は、メーカー側に修理を依頼するとお金がかかるので、2人で直しましょうと言って一緒に直してくれました。そのような例は珍しくなく、とにかく熱心に対応してくれます。途中で担当者が変わった時は不安になりましたが、対応に変化はありませんでした。

Press6:
今後のビジョンとパンテックへの期待

Q:リサイクル事業における今後のビジョンとパンテックへのご期待をお話し下さい。

コープしがは従来、宅配などの無店舗販売を中心としていました。

店舗はミニ店舗中心の展開でしたが、2014年1月にその店舗事業政策を見直し、本格的な店舗展開を進める方針を打ち出しました。その第一弾として2015年2月27日、ぜぜ店を移転出店しました。年内には第二弾として守山店をオープンします。このような店舗展開に伴い、今後は食品トレーの回収量が増えることが見込まれます。実際にぜぜ店におけるトレーの回収量は、予想を大きく上回っています。

特に弊社はインストア加工に力を入れているため、様々な容器を使い、使用量も非常に多くなります。守山店のオープンを控えていることもあり、食品トレーの資源化は、リサイクル事業の今後の課題の1つとなっています。
食品トレーは、これまでも商品の一時預かりを行うステーションでも回収していました。食品トレーは、樹脂の種類も多種多様であるだけではなく、回収時にトレー以外のものも混入するため、他の廃プラスチック系と同様のフローでは資源化することが困難です。そこで再生処理まで行っている産廃業者に引き渡しています。ただ、今後、量が極端に増えれば産廃として出すことは出来なくなると考えています。組合員の中にも嫌がる人は出てくるでしょう。弊社としてはコンプライアンスの観点からも、食品トレーをしっかり回収して、資源化する方向で検討をしています。
ただし問題は、分別作業にかかるコストです。手作業で分別するには、樹脂の種類を見分ける能力が必要です。また、自動選別機もありますが、非常に高価であり、今のところペイできる見込みはないため、様々な可能性を模索しています。

弊社は滋賀県内の自治体や企業と、環境分野の取り組みにおける協力関係を結んでいきたいと考えています。パンテックにも、既存の取引内容に捉われず、他の部分でも連携出来ることを期待しています。食品トレーの他にも廃食油の有効活用など、今後、様々な課題が生まれて来ます。それらの解決に向けた研究などに共同で取り組んでいただければありがたいと考えています。

まとめ

・リサイクル事業の拡大とともにパンテックとの取引量も拡大
・売却先に求めるのはリサイクルフローの確実性と透明性の高さ

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