2021.07.20

不織布のマテリアルリサイクルを通じて、循環型経済構築に挑む

ENEOSテクノマテリアル株式会社様

国内最大手石油会社グループ企業が取り組むESG経営。
不織布のマテリアルリサイクルを通じて、資源リサイクル並びに循環型経済構築に挑む。

環境問題・ESG経営に注力するENEOSグループ。
そのグループの一角であるENEOSテクノマテリアル社では、グループの共通目標であるCO排出量の削減や、廃棄物最終処分率ゼロエミッションの維持に取り組み、継続的に目標値を上回る実績を残されている。今回は、同社の中で中心となって活動を推進する環境安全グループ マネージャー大石氏に成田工場での取り組みと、パンテックとの取引が始まった経緯、さらにその成果などをうかがった。

 ENEOSテクノマテリアル社について

ENEOSテxクノマテリアル社は、ENEOSグループ内で高機能素材の生産開発を担っている。国内では東京に本社を構え、成田・横浜の二工場を製造拠点とし、海外では米国(アラバマ州、ジョージア州)の2箇所に製造拠点、販売拠点では同じく米国(ジョージア州)とフランス(プロバンス)に事務所を有す等、日本国内で生産している製品を世界中に提供できる体制が整えられている。

同社が取り扱う製品は、独自技術で開発された不織布の「ミライフ」「ワリフ」をはじめとして、農業用資材、物流資材等である。特に「ミライフ」においては、インテリア、装飾包装、衣料用途といった私たちの暮らしに近い所で用いられており、染色や他素材との貼り合わせ加工のしやすさといった面で優れた点を持つ。同社では、良質な製品生産を図るために、ISO900114001を取得している。

設立:19774月 本社:東京都墨田区 
ENEOSテクノマテリアル株式会社様ホームページ:https://www.tmc.eneos.co.jp/index.html

ミライフカラー (002)ワリフブルー (002)

 

Press1:
これまでのリサイクル活動

Q:現在パンテックに有価資源化をご依頼されているプラスチックは、以前はどのような処理をされていたのでしょうか。

A:パンテックには、主にPETの廃プラスチック(ラインロス)をお願いしています。

当工場で発生する廃プラスチックは PE/PP/PET の3種類になります。PE/PP は社内でのリサイクルが進んでいるのですが、PETは焼却処理となっていました。それよりも前は、PETも中国に売却しリサイクルができていたのですが、2017年に同国で大規模な環境規制が敷かれたことで、ある日突然、輸出がストップしてしまい、やむなく国内での焼却処理に切り替えた経緯あります。焼却処理は、大量にCOが発生するだけでなく、輸送にコストがかかることから、新たなリサイクルフローの構築が課題となりました。当時は、国内外のリサイクラーと面談を繰り返しましたが、アジア各国が中国に倣って廃プラスチックの規制を強めるなかで、解決策を見出すことができませんでした。2017年は、日本が原料を買って製品を作り、資源ゴミを海外に輸出するという構図が終わった年ではないでしょうか? 現在は、ラインロスで比較的綺麗なものであったとしても資源として輸出したければ、製品同様の管理をしなければならないと認識しています。

 

Press2:
取引開始~開始後のリサイクル活動

Q:これまで様々なリサイクラーと面会されてきたということですが、弊社とお取引開始に至った背景を教えてください。

A:パンテック社員に本社を訪問していただいたのがきっかけです。

パンテックの東京支店が本社のすぐ近くにあり、弊社の企画部を訪ねていただいたのがきっかけです。リサイクル品の提案の話だったと伺っています。結局、その話はまとまらなかったのですが、企画部の担当から良さそうな会社だと紹介を受けました。当時は、PETを扱える新しいリサイクラーを探し続けていた時期でしたので、そんなに簡単に見つかるわけがないと思い、控えめにホームページから問い合わせたのを覚えています。実際にご担当にお会いしてみると、マテリアルリサイクルに関しての知見が豊富で、最新のリサイクル事情やこれまでに手掛けてこられた実績を聞かせていただき、これは探し求めていた企業ではないかと感じました。その後は、取引開始に向けて工場の視察やサンプルの評価といったスケジュールをこなし、問い合わせから2か月後の2019年10月に初取引となりました。

Q:お取引開始後、貴社リサイクルで何か変わったことはありますか。

A :産廃コストが削減されたことと、安定的に回収を頂いていることです。

 やはり一番はコストですね。産業廃棄物として処理費用を支払うのと有価物として買い取って頂くのでは、まったく違います。具体的な金額は申し上げられませんが、製造原価にはっきりと影響が見て取れるほど削減できました。もう一つは、安定した取引です。昨年はコロナ禍で廃プラスチックの価格が大きく変動しました。当工場と取引のある他のリサイクラーは、価格の維持どころか、引き取りさえ困難な状況になりましたが、パンテックだけが何の影響も感じさせず淡々と取引を継続してくれました。最後に蛇足になりますが、気分の問題ですね。私のように環境に携わる者は、焼却処理というのは気が重たいのです。洋服でいえば、ゴミ箱に捨てるのとリサイクルショップに持っていく違いでしょうか? 今は気分よく仕事ができています。

 

Press3:
プラスチックロス材の取り扱い

Q: 御社での、プラスチックロス材の取り扱い方法を教えてください。

A: PETの廃プラスチックに関しては製品同様の扱いをしています。

PET製品の製造時に発生したラインロスは、その場でロール品とベール品に分別され、ストレッチフィルムで梱包し、パレタイズします。保管についても、倉庫内で保管し風雨に曝されないように注意しています。コンテナへの積み込み(バンニング)も自社で行い、積載効率を考えて最後は手積みで隙間なく積みます。最近では、荷姿を写真に撮って出荷の可否をやり取りするなど、まさに製品同様の取り扱いとなっています。

一方、PE/PPについては、廃プラスチックを取り巻く環境が厳しくなるにつれ、当工場の管理レベルの低さを感じるようになりました。自社でリサイクルを進めていることで、逆に外部環境の変化に気付けなかったのだと思います。廃プラスチックは色や形状で細かく引き取り価格が決まっています。よく言われる、分別しなければゴミ、分別すれば資源ということだと思います。家庭ゴミと同じですね。製造職場には、今まで以上に細かい分別や梱包をお願いしています。

 

Press4:
今後の取り組みで期待していること

Q:たくさんお話を伺いましたが、弊社にこれから期待していることはありますか。

A :廃プラスチックに関わる実践的な情報のフィードバックや、リサイクル材を利用した環境配慮型商品への提案を期待しています。

 この数年、廃プラスチックを取り巻く環境は大きく変わり続けています。専門的な知識だけでなく、現地での経験がなければ、変化をキャッチアップできないでしょう。直近では改正バーゼル法の施行がありました。改正内容はネットで検索すれば誰にでもわかりますが、実際にどのように適用されるかは、やはり現地に行かなければわかりません。施行直後のことなのですが、当工場の廃プラスチック(PE)がスクラップ置き場で強風にさらされ砂を被ってしまい同法に抵触する恐れがありました。結局、パンテックで砂を水で洗い流していただき出荷することができました。単純な話ですが、こういったケースでも、きちんと対応すれば廃棄物にすることなく資源として相手国に受け入れてもらえるということです。この経験を踏まえて工場内での廃プラスチックの取り扱いを一部変更しました。パンテックには、こういった実践的な情報のフィードバックを期待しています。

もう一つは、廃プラスチックの再製品化です。昨今は、環境関連の取り組みが注目されていますが、ENEOSグループでも、低炭素社会の形成、循環型社会の形成などのキーワードが目標に掲げられ、これらに即したアウトプットを強く求められています。大量の廃プラスチック(ラインロス)を排出する企業は社会的に許されないという時代ではないでしょうか?当工場でも、PEを中心にラインロスの70%を自社でリサイクルしています。これを外部の力も借りながら100%にしようとする計画があります。リサイクル材を使用した環境配慮型商品の開発をすすめ、購入した原料をすべて製品にして世の中に還すという考え方です。難しい目標ですが、リサイクルの専門家であるパンテックにもご意見を頂きながら、必ず実現したいと考えています。

 

まとめ

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