日本総合リサイクル株式会社様

トレーサビリティと国内循環を両立するミックスプラスチックのリサイクルスキームを構築

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日本総合リサイクル株式会社

工場長|横山 徹 様

 

日本総合リサイクル横山様

事例の概要

富山県高岡市伏木という歴史ある地に拠点を構える日本総合リサイクル株式会社。同社は、鉄道車両やバス、船舶といった大型金属製品から小型家電に至るまで、幅広い金属スクラップを資源として捉え、90%以上という高いリサイクル率での再資源化を実現しています。一方で、金属選別の過程で発生するミックスプラスチック資源については、マテリアルリサイクル自体はできているものの、その後どのような商流・スキームで資源が循環しているのかまでは、十分に把握・可視化できていませんでした。
「金属と同じように、プラスチック資源も国内で循環させたい」——その想いはあるものの、プラスチック分野に関するトレーサビリティの確保や専門的な知見とノウハウは十分とは言えませんでした。
パンテックとの出会いをきっかけに、どのように変化したのでしょうか。今回は、工場長の横山さんにお話を伺いました。

※ 本記事の掲載内容は全て取材当日時点の情報となります。

Before
  •  国内循環ができている金属資源に対し、ミックスプラスチック資源についてはマテリアルリサイクルを実現できていたものの、その先の商流やスキームが不透明で、最終的な資源の行き先を把握できていなかった
  • 2024年1月に発生した能登半島地震の影響により、小型家電の受入量が急増し、ミックスプラスチック資源の在庫過多が発生した
  • 金属のリサイクルが専門であるため、プラスチックリサイクルの知識が十分ではなかった
After
  •  国内で分別・加工・活用される国内循環のスキームが明確になり、資源の行き先に対する不安が解消された
  • 現場の状況を理解した迅速な配車・運用支援により、オペレーションの安定性が高まった

  • 他社と比較してプラスチックに関する知識が深く、「単なる引き取り手」を越え、資源循環の知見交換まで行える「ビジネスパートナー」を得ることができた

1. パンテックとお取引を開始する前の課題

―  日本総合リサイクル様は金属リサイクルを主たる事業として展開されていますが、その過程で副次的に生じるプラスチック廃棄物のリサイクルに関しては、どのような課題を抱えておられたのでしょうか。 

弊社では、使用済み小型家電を大型シュレッダーで破砕処理していますが、その破砕粒度が非常に細かいため、金属とプラスチックを分別する工程において、プラスチック側に微細な金属などの異物が混入してしまいます。

金属については高度な分別体制を構築しており、回収された資源の多くは国内で再びモノづくりの現場へと戻っていきます。一方、金属回収後に残るミックスプラスチック資源については、有価売却して、マテリアルリサイクルはできているものの、その後の流通や活用の実態が見えにくく、「本当に資源として循環しているのか」「最終的にどこで活用されているのか」といった点を把握できていない状況でした。

さらに、破砕後のミックスプラスチック資源をこれ以上精緻に分別することは、弊社の設備では難しい状況にあります。金属分野については一定の知見と経験を有している一方で、プラスチック分野に関しては専門的な知識が十分とは言えません。このような状況の中で、どのようにトレーサビリティを確保していくべきかを模索している段階でした。

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ひときわ大きな敷地を有する富山県高岡市伏木の工場

2. パンテックとの出会いとリサイクルパートナーに選んだ理由

パンテックとの出会いはどのようなものでしたか?

きっかけは、パンテックさんの営業担当者からいただいた一本の電話でした。
ちょうどその頃、能登半島地震の影響により小型家電の処理量が急増し、ミックスプラスチック資源が在庫過多の状況となり、これまで以上に安定的かつ責任ある方法を検討する必要に迫られていました。

そうした状況の中でパンテックさんから提案されたのが、「プラスチック資源を有価で引き取り、国内で分別・加工を行い、再生プラスチック原料として国内メーカーへ供給する」という、国内循環を前提としたスキームでした。その上、一度に数百トンのミックスプラスチック資源を引き取れるという点は、当時の課題解決に直結する内容だったので、強い関心を持ち、「一度詳しく話を聞いてみよう」と考えました。

その後、すぐに富山まで足を運んでいただきました。弊社の課題を丁寧に聞いてくれた上で、具体的な提案について、直接説明を受けたことで、仕事に対する誠実さや責任感が強く伝わってきました。その結果、単なる短期的な課題解決にとどまらず、長期的な視点でパートナーシップを築ける相手だと確信するに至りました。

実際に取引を開始してからは、配車手配のスピードが非常に早く、現場の状況を的確に理解したうえで柔軟に対応していただける点に大きな安心感がありました。災害対応で慌ただしい状況下においても、現場の負荷を最小限に抑えることができたと感じています。

IMG_6406パンテックの営業担当の笑顔に、思わず心を許してしまったと笑う横山工場長

― パンテックをパートナーとして選ばれた決め手は何だったのでしょうか。

最大の決め手となったのは、プラスチック資源の「最終的な出口」が明確に示されていたことです。

弊社から排出されるミックスプラスチック資源は、パンテックさんにより有価で引き取られた後、提携先リサイクラーにおいて複数の高度な分別工程を経て処理されます。具体的には、比重の違いを利用して水中で分離する「比重選別」、プラスチックごとの帯電性の差を活用した「静電分別」、さらに光学センサーによって色を識別する「色選別」などが組み合わされています。

これらの工程によって、樹脂と金属を含む異物は明確に分離され、回収された資源はおもにPP、PS、ABSといった単一素材ごとの再生プラスチック原料へと加工されます。その結果、原料としての品質が大きく向上し、最終的にはプラスチック成形メーカーへと安定的に供給されています。

フロー


この一連の流れが可視化されたことで、トレーサビリティの透明性は大きく向上しました。
「売って終わり」「引き取って終わり」ではなく、どこでどのような加工がなされ、最終的にどのような用途で、どこで活用されているのかまで把握できる点は、責任ある資源循環を進める上でも、非常に重要だと感じています。


ビフォーアフター

 

3. 今後の展望について

パンテックの独自性を感じる点があれば教えてください。

パンテックさんの特長は、素材に合わせて設計から運用まで最適な資源循環スキームを一貫して担っている点にあると感じています。プラスチック資源がどこで分別され、どのように加工され、最終的にどの分野で活用されるのかまでが明確にご提示していただけるのは、私たち排出企業にとって、非常にありがたいことです。

こうした透明性と実効性を兼ね備えたご提案をいただくことはなかなかなく、安心して任せることのできる、信頼性の高いパートナーだと考えています。

現場の方からの評価はいかがでしょうか。

現場からは、配車対応のスピード感と柔軟さを評価する声が多く上がっています。依頼すると迅速に対応してもらえるため、在庫がひっ迫するような場面でも大きな安心感があります。

また、プラスチックリサイクルに関する知識が豊富で、現場の制約や実情を踏まえた提案をしてくれる点についても評価が高いです。「相談すれば一緒に考えてくれる」という信頼感が、日々のオペレーションを支えています。

4. 今後の展望とパンテックへの期待

今後の展望や、パンテックに期待することを教えてください。

パンテックさんとの共創により、小型家電由来のミックスプラスチック資源が単一素材に分別・再生原料化され、国内のモノづくりの現場で活用されるスキームが構築できました。まずはこの仕組みを、安定的・継続的に運用することが重要だと考えています。
その上で、パンテックさんにはその先の分別や再生原料化についての知見、国内外に広がる販路やネットワークを生かして、資源の価値をさらに引き上げていただくことを期待しています。

すべてを一社で完結させるのではなく、それぞれの強みを生かした役割分担と連携による共創こそが、現実的で持続可能な資源循環につながると考えていますし、こうした資源循環のあり方が、これからの日本のモノづくりを支えていくことになると思います。

弊社は金属リサイクルを突き詰めてきたからこそ、プラスチックの難しさを実感しています。弊社と同じように、本業の副産物としてプラスチック資源を排出している企業にとって、パンテックさんのような専門性を持つパートナーと役割分担しながら資源循環を実現することは、現実的で堅実な選択肢だと思います。

今後は日々の実務にとどまらず、資源循環に関する勉強会や市況や相場、国内外の企業動向や法規に関する情報交換といった形で互いの知識を共有し合い、金属とプラスチック、それぞれの現場で得られた知見を次の改善へとつなげていくこともしていけたらと思います。こうした積み重ねが単なる取引関係を超えた共創関係を育み、ひいては業界全体のリサイクル水準を底上げしていく——そのような将来像を描いています。

5_2横山工場長(右)とパンテック営業担当(左)