2016.11.21

プラスチックリサイクルに欠かせないバーゼル条約とは

弊社パンテックは、廃プラスチックリサイクルのトータルプロデュース企業として排出元企業様に最適なソリューションを提供するよう努めています。その中で最優先課題の1つとして認識していることが「コンプライアンス(法令順守)の徹底」です。法令を順守することは、廃プラスチックリサイクルの透明性・安全性を実現することに通じます。そして、その透明性・安全性が「排出元企業様の商品情報漏えい防止」や「意図しない不法投棄などによる社会的信用の失墜」など、排出元企業様のビジネスリスク回避にも繋がっていくものと考えております。

さて、廃プラスチックリサイクルを推し進める上で無視できないのが、アジアを中心とした海外市場ですが、グローバルリサイクルにおいても再生原料の輸出に携わる企業が常に意識しなければいけない法律があります。それはバーゼル法です。このバーゼル法は、バーゼル条約という国際間の取り決めに基づいた国内法です。

今回は、バーゼル法およびそのベースとなっているバーゼル条約について解説いたします。

 

■ バーゼル法制定の背景

1970年代、先進国からの廃棄物が発展途上国に放置されて環境汚染が生じ、最終的な責任の所在も不明確であるという問題が顕著に現れました。これを受け、国連環境計画(UNEP)と経済協力開発機構(OECD)において国際的な枠組みづくりの検討が行われ、1989年3月にスイスのバーゼルにおいて、『バーゼル条約』が採択されました。日本も1993年9月に本条約に加入し、同年12月には、『バーゼル法』が施行されました。

 

【バーゼル条約規制対象物となるもの】

鉛蓄電池、廃油、めっき汚泥、廃石綿、シュレッダーダスト等

 

【バーゼル条約規制対象外となるもの】

鉄屑、貴金属の屑、固形プラスチック屑、紙屑、繊維屑、ゴム屑等

⇒弊社では上記の対象外貨物のみを取り扱っております。

 

バーゼル法と廃棄物処理法における規制対象外物であるかを判断する際のポイントは、以下の通りです。

 

① 有害物ではないこと

⇒必要に応じて有害物質の含有率を分析し、有害性の判断が必要

② 産業廃棄物処理法上の廃棄物でなく、有価物であること

⇒有価取引の取引伝票、契約書の提示が必要

③ 輸出相手国で産廃処理されるのではなくリサイクルされること

⇒リサイクル業者、リサイクル処理方法に関する情報開示が必要

 

 

■ 輸出入業務とバーゼル法

 

廃プラスチックを有価物として海外へ輸出する際には、このバーゼル法に基づいて、輸出しようとしている貨物が規制対象に該当するか否かを証明する必要があります。パンテックでは、その都度、経済産業省の委託先である日本環境衛生センターにバーゼル法規制の事前相談を行い、バーゼル法で定められた規制対象に非該当であることを確認し、それを証明する自主判定書を税関へ提出しています。

 

 

■ 排出元企業様だから知っていただきたいバーゼル法

ところで、このようなバーゼル条約およびバーゼル法は、排出元企業様にとっても無関係ではありません。海外市場に輸出を直接的に行うのは私達のようなリサイクル企業ですが、私達が輸出する際に行う手続きにおいて、万が一不適切な処理が行われ、意図せぬトラブルが発生すれば、排出元企業様の責任が問われる場合も発生するのです。

 

そこで弊社では、排出元企業様とお取引を開始する際には、念入りにヒアリングや現場視察などを行い、適切な処理をしていただけるようご提案をさせていただいています。それによって設定価格の維持または継続的な取引が可能となるのです。

 

また、弊社では、バーゼル条約による規制対象貨物を社員全員が責任を持って管理し、向上を図っていくことが、リサイクル企業の使命であると考えています。バーゼル条約についての理解をより深めるために、国が定期的に開催するバーゼル条約に関する講習会に、若手社員中心に参加しています。2017年度も年明け1月以降に開催される予定です。その際の参加レポートを掲載する予定ですが、一般参加も可能となりますので詳細をお知りになりたい企業様は、下記環境省URLからご確認ください。

 

■ バーゼル法等説明会の開催について

https://www.env.go.jp/recycle/yugai/basel.html

 

【 関連ページ 】
外務省ホームページ

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/basel.html

日本環境衛生センターホームページ

http://www.jesc.or.jp/activity/tabid/94/Default.aspx

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

まとめ

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