2017.08.18

中国 『国門利剣(ナショナルソード)2017』廃プラ輸出全面禁止 ー 固体廃棄物輸入改革実施へ 中国国務院発表

2017年7月27日、
中国国務院(中国の最高国家行政機関)が作成した、
固体廃棄物輸入に関する改革実施案の発表が行われました。

中国語原文で入手した文書を日本語訳した内容をお伝えいたします。

改革の目的

目的①:
2017年末まで生活由来の廃プラスチック、未選別古紙、廃紡織原料、バナジウム残渣を輸入全面禁止

目的②:
2019年末まで原料として使用可能な工場系固体廃棄物を段階的に輸入停止

目的③:
中国国内において固体廃棄物の回収率向上、再資源化の強化

輸入依存からの脱却へ

上記の目的③にもあるように、中国国内の固体廃棄物の回収、利用率を向上させ、洋ゴミと呼ばれる品質の悪い欧米の固体廃棄物による環境悪化を食い止める動きがあります。

2015年の国内における固体廃棄物回収量2.46億tに対し、2020年には3.5億tの回収量を目標に掲げており、加えて、国内の固体廃棄物加工業者の規範となる、再資源利用のブランド企業を中心に業界全体の回収力強化を狙っています。

今回の改革を実施することで、約1億tの回収量アップを図り、再生原料としての再資源利用を推し進めていく方針です。

中国環境省実施の監査結果

2017年8月17日、
中国環境省による『国門利剣2017』に関連する情報が公表されました。

7月1日より中国全土の固体廃棄物輸入資格を保有する企業を対象にした環境省による監査結果と固体廃棄物の輸入に関する今後の方針決定がありました。

1,784社に対して行われた環境省による監査結果として、約60%にあたる1,066社の企業が不合格と判断されました。

この不合格企業の内訳は、監査内容に一部指摘がある企業、輸入ライセンス使用不可と判断された企業が混在しています。今回の合否発表は、監査不合格企業のみの発表でした。

中国への固体廃棄物輸出の年内禁止が決定

また、新たな発表として、ポストコンシューマー材(使用済みの製品を回収し、再生した材料)と廃繊維の中国への輸出が2017年12月31日をもって全面禁止となることが決定しました。

プレコンシューマー材(製造工程ロス)は2018年以降も輸出可能ですが、形状などの判断基準については、8月下旬にかけて発表される見込みです。

パンテックだからできること

国門利剣2017に関する情報を事実のみ、お伝えさせていただきました。中国国内のみならず、日本のプラスチック取扱い事業者様にとっても、先の見えない不安な状況かと存じます。また、欧米諸国でもこれらの事が“DEVASTATING IMPACT(壊滅的な衝撃)”として大きな影響、混乱が生じていることが報道されています。

弊社でもこれまで様々な対応策を練り、状況に飲み込まれぬよう準備を重ねて参りました。弊社の強みとして、第三国と日本国内の商流が構築されているという点が挙げられます。

このような困難な状況下においても、弊社に根付く「三方よし」の考え方に基づき、排出先企業様と精一杯ともに歩んでいく所存です。

まとめ

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