2020.06.22

サーキュラーエコノミー -世界のニュースから読み取るプラスチックリサイクル Vol.1-

近年、環境に良い活動のキーワードとして「サステナビリティ(Sustainability)」という言葉を耳にすることはありませんか?

日本語に置き換えると、「持続可能性」を指すこの言葉。
実はこの言葉こそが、これからの私たちの生活に、切っても切れない関係を生みつつあるのです。

関係とは?と思われた方も多いのではないでしょうか。

実は、私たちの経済活動と大きく密接しているのです

これまでの人類の経済活動といえば、製品を製造し、売買し、廃棄する…
といった一方通行型のモデル(リニアエコノミー)があたり前でした。
しかしながら、現在はこの単純なモデルが本当に良いことなのか?と、全世界で疑いの目が向けられるようになりつつあるのです。

では、次にあるべき経済活動の在り方とは、一体どんなものなのか―。

それは、製品を最終的に廃棄する仕組みではなく、【何度も何度も繰り返し再使用化・再資源化=リサイクル】する仕組みに作り替えるということです。

こうすることで、経済活動が「一つの線」にならず、「一つの輪」として何度も巡っていく、循環型のスキームが構築されます。
この「一つの輪」を、恒久的に循環させるのが、「サーキュラーエコノミー」という思想であり、「サステナビリティ」とも深く関係しているのです。

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この図のとおり、リニアエコノミーは製品を消費し廃棄、リサイクリングエコノミーでは、循環こそするものの、やがて廃棄物を生み出します。
しかしながら、「サーキュラーエコノミー」では、廃棄物を出すことなく、何度も何度も繰り返し資源循環させ、経済活動を動かせるというメリットがあります。
今回はその「サーキュラーエコノミー」の取り組みについて、取り組みが進んでいる海外の事例を用いてご紹介いたします。

中でも、今回のメインテーマは、私たち一般消費者が家庭で一度使用し、廃棄したものを総称する「ポストコンシューマ材料」についてです。

 

事例でひも解く海外のサーキュラーエコノミー ~ポストコンシューマ材料編~

1.ベルギー EconCore社 再生PETハニカム芯材 使用開始へ

ベルギーのEconCore社は、2年間の研究を経て、再生PET由来のハニカム芯材開発に成功し、ライセンス生産を販売開始しています。
このハニカム芯材の約95%は、PETボトルのフレークやPETを使用した食品包装材等のポストコンシューマ材料のプラスチックが使用されており、従来のPPハニカム芯材と比較して、幅広い温度領域と強度を有しています。
製造時のCO2排出量が従来の熱可塑性樹脂製コアに比べて低く、さらに軽量なため、輸送機器分野用途として組みこむことで、さらにCO2の大幅な削減が可能となります。
EconCore社は、継続して航空宇宙、鉄道の用途向けに技術開発を進めていくとしています。

全文はこちら(英文)↓
https://www.plasticstoday.com/sustainability/recycled-pet-used-honeycomb-core/104100772862857

EconCore社 ホームページ
http://www.econcore.com/en/products-applications/rpet-honeycomb-core-material

 

2.ドイツ Henkel社 有価資源化された家庭プラスチックを液体洗剤コンテナへ

Henkel社は自社ジェルボール洗剤製品のパッケージに、PCRプラスチックの使用を開始しました。
オーストリアの容器包装メーカーであるGreiner Packaging社と共同で外装の段ボール箱と容器を開発。
同社の「Persil 4in1 Discs」のパッケージには、50%のPCRプラスチックを配合しています。
92%の古紙を利用した段ボール箱の利用に加え、内層は未だバージン材を使用しているものの、外層にPCRプラスチックを利用したパッケージを採用することにより、ジェルボールに使用している包装全体でプラスチックの使用量を40%以上削減することが可能となります。

Henkel社は、2025年までに自社全ての包装材をリサイクル・再利用可能にし、バージンプラスチックの使用を半分にしたいと意欲的な表明をしています。

全文はこちら(英文)↓
https://www.environmentalleader.com/2020/04/henkel-recycled-household-plastics/

Henkel社 ホームページ
https://www.henkel.co.jp/

 

いかがでしょうか。両事例とも、「ポストコンシューマ材料」と呼ばれるものを、再度利用して循環させようという仕組みに挑戦しているという事がお判りいただけたのではないでしょうか。

さて、この「ポストコンシューマ材料」ですが、リサイクルにするにあたり、乗り越えなくてはならないハードルが幾つか存在しています。
詳細は次回ブログで詳しくご紹介させていただきますので、続編をどうぞお楽しみに。


Lita Lab. では持続可能な循環経済の構築に向けて、皆様の知りたいことをわかりやすくお伝えするだけでなく、さらに海外の最新情報も交え、より世界の「今」が見えるようこの度アップデートいたしました。
事業者の皆様だけでなく、プラスチックを使う世界中の皆様に向けて、プラスチックリサイクルをより身近に感じていただき、資源循環経済の構築を目指すヒントとなる記事をお届けして参ります。

執筆者:パンテック ブログ編集部

 

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パンテックでは企業様のサーキュラーエコノミー構築支援活動を行っております。
プラスチック廃棄物に対するサーキュラーエコノミーシステムや事例にご興味ございます方は、
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https://www.pantechco.jp/inquiry/

また、弊社もサーキュラーエコノミーの取り組み事例といたしまして、弊社協力企業である「開伸」様とコラボした、フェイスシールドやパーテーションといったアイテムのご提案も致しております。
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https://form.k3r.jp/pantech/pblog779

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