2022.03.23

【ESD for 2030】大津市の中学校で出前授業を実施

 パンテックでは、事業としてプラスチックリサイクルのプロデュースを展開する中で培った知識と経験を次世代に伝え、SDGsの実現につなげるため、ESD*の一環として教育機関で出前授業を行っています。

ESD*:現代社会の問題を自らの問題として主体的に捉え、人類が将来の世代にわたり恵み豊かな生活を確保できるよう、身近なところから取り組む(think globally, act locally)ことで、問題の解決につながる新たな価値観や行動等の変容をもたらし、持続可能な社会を実現していくことを目指して行う学習・教育活動です。

2022年2月中旬、パンテックが本社を置く滋賀県大津市の中学校を訪問し、弊社社員が講師となり、一年生を対象に「プラスチックリサイクル」を題材にした出前授業を実施しました。

 ● 前回の様子はこちら「京都産業大学、立命館大学でプラスチックリサイクルについて講義」

 出典:文科省「持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)」

img-01-1

 ペットボトルやボールペン、洋服などをはじめ、私たちは多くのプラスチック製品に囲まれて生活しています。そうした事実から、プラスチックはいまや人類の生活になくてはならない素材となっていると言えるのではないでしょうか。しかしその反面、プラスチックが地球環境に負荷を与えていることも事実です。

石油由来のプラスチックは焼却処分時にCO2を発生させます。それが地球温暖化を加速させていることは言うまでもありません。また、プラスチック廃棄物が適切に処理されることなく不法投棄され、自然環境を汚染しています。特に、海洋プラスチック汚染の問題は深刻です。

現在、すでに世界の海に流出しているプラスチックごみの量は合計で15,000万トンと言われており、少なくとも年間800万トン(重さにしてジェット機5万機相当)のごみが新たに流出していると推定されています。このままのペースでプラスチックの海洋流出が続くと、2050年には「海洋プラスチックごみの量が海にいる魚を上回る」という予測もあります。

授業の導入部分では上述のように、プラスチック製品がいかに生活に浸透しているかを実感してもらいながら、プラスチックが環境に与える影響についてお話をさせていただきました。

img-09 出典:WWFジャパン「海洋プラスチック問題について」

 その上で、生徒の皆さんにプラスチックについてより深く考えてもらうため、ワークショップを行いました。ワークショップでは、プラスチックのメリットとデメリットを生徒の皆さん一人ひとりが付箋紙に書き出し、その後4~5人のグループに分かれて、各自の意見をA3サイズの紙にまとめました。グループで意見を整理する際には、仲間の意見に「そうやな」「たしかに!」という活発な声がグループごとにあがっていました。

img-03-1

img-04-1

 グループとしてどのような意見が出たのか発表もしていただきました。プラスチック製品のメリットとしては、「軽い・加工しやすい・安価」、デメリットとして「土に還りにくい・環境に悪い」などの意見が多く出され、生徒の皆さんが、一人ひとりの発表に真剣に聞き入る様子が印象的でした。同時に若い世代が環境問題に対して高い関心を持っていることが伺えました。


img-05

img-06

 授業の最後には、実際にプラスチックの成形再生原料「ペレット」を手に取って見てもらいながら、チョコレートを例にプラスチックのリサイクルや成形の方法についてもお話をさせていただきました。板チョコを割って、湯煎で加熱して液状にし、それを型に流して、冷やして固めるように、熱可塑性樹脂のプラスチックもチョコレートと同じようなプロセスでリサイクルして成形されていることを、動画や具体例を交えて説明することで、生徒の皆さんの理解を深めることができたのではないかと思います。

ここで、授業に参加された中学生の感想をご紹介します。

 感想

ペットボトルをしっかり分別して、リサイクルできるようにする。ペットボトルをあまり使わず、家から飲み物を持ってくるようにする。使わなくなったものがあったらすぐに捨てるのではなくリサイクルに挑戦してみる。ビニール袋も毎回お金をはらって買い物をしたものを入れるのではなくて、自分のエコバックを持ってきて使ったほうが、お金も使わなくていいし、環境にもいいなと思いました。

海洋プラごみが海の生き物に害をあたえていると知って、これからプラごみのポイ捨てを見かけたら注意したり、ごみ回収のボランティアに参加するなど積極的に動きたいと思いました。プラスチックの良い面、悪い面を知り、これからの日常生活にいかしていきたいと思います。

プラスチックなどいろんな物をリサイクルして再利用できるようにする。エコバックを使ったり、CO2を排出させすぎない方法を見つけ、それを実現できる範囲で実行したいです。

img-07 

 先日、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、産業革命前に比べて気温が2度上昇すれば今世紀末までに干ばつなどで慢性的な水不足に陥る人口が8億~30億人に至るとの予測を発表しました。食糧生産や健康、生物種への悪影響は、地球温暖化が進むほど大きくなると警鐘を鳴らしています。

地球環境の悪化が続いた場合、その過酷な世界で暮らすことになるのは、今回授業に参加していただいた中学生のような若い世代達です。環境における負の遺産を次世代に引き継がせないためにも、一人ひとりがプラスチックリサイクルの推進を行うなど、地球環境の改善に向けた取り組みが必要です。

パンテックは「環プラ®︎」プロデュースカンパニーとして、引き続きESDの一環として教育機関への出前授業を行うなど、社会に向けたプラスチックリサイクルの啓蒙活動を推進していきます

まとめ

サンプルCTA