はじめに
サーキュラーエコノミー(循環経済)への移行は、いまや企業の生存戦略として欠かせないテーマになっています。EUではPPWR(包装・包装廃棄物規則)が2026年8月12日より適用開始となり、ELV規則(廃自動車規則)も公布・成立しました。日本国内でも2026年4月に改正資源有効利用促進法が施行され、再生プラスチックの利用義務化が現実の課題として動き始めています。
かつて「環境配慮」はCSRやサステナビリティの文脈にありました。しかし今、「再生材を導入できる企業が市場で優位性を獲得する」という構造が現実のものとなりつつあります。再生材導入は、事業の持続可能性と競争力の両面に関わる経営課題です。
それでも現場からは、こんな声が絶えません。
「再生材を使いたいが、条件に合う原料が見つからない」
「品質のばらつきが不安で、社内承認が得られない」
「バージン材より高いと聞いて、二の足を踏んでいる」
本稿では、約30年にわたりプラスチック資源循環に携わってきたパンテックの経験をもとに、再生材導入を「現実のモノづくり」として実現するための考え方を整理します。
なぜ今、再生材を使わなければならないのか
再生材の使用義務化は、欧州だけの話ではありません。
EUではPPWRが2026年8月12日より適用開始となり、2030年1月1日からはプラスチック包装材への再生材の使用が義務化され、2040年には再生材の更なる配合比率の引き上げが予定されています。
ELV規則は2026年7月24日に公布・成立しており、2032年9月1日から新車のプラスチック部品に15%以上(うち20%が廃車由来)、2036年9月1日から25%以上(うち20%が廃車由来)の再生プラスチック使用が義務付けられます。
日本でも改正資源有効利用促進法が2026年4月に施行され、容器包装・家電・自動車を対象に2027年度以降、利用計画の策定・提出が義務化される制度が動き出しています。

さらに見逃せないのが、「調達競争」の側面です。
再生材はバージン材と異なり、供給量に限りがあります。規制強化によって需要が拡大する中、再生材市場はすでに調達競争の段階に入りつつあります。対応を後回しにするほど、選択肢は狭まっていきます。再生材の調達スキームをどう構築できるかが、これからの企業競争力に直結すると言っても過言ではありません。
「再生材はコストが高い」は本当か
再生材導入を検討する企業の多くが、最初にぶつかる壁がコストです。
「バージン材が価格の上限。それを超えたら社内稟議が通らない」
こうした声は、調達の現場でよく耳にします。確かに再生材のサプライチェーンは長く、回収・選別・加工といった工程が多いため、コストが高いという印象を持たれがちです。
しかし実態は異なります。物流資材や建材、園芸分野ではサステナビリティが重視される以前から、コスト削減策の一環として再生材が採用されてきた歴史があります。バージン材と同等水準、あるいはそれ以下の価格で供給可能な再生材は、すでに市場に存在しています。
一方で、バージン材価格を上回る再生材も存在します。ISCC PLUS認証を取得したケミカルリサイクル原料や、オーシャンバウンドプラスチック(OBP)由来の原料などがその例です。こうした素材は「高すぎる」のでしょうか。
そうとは言い切れません。サプライチェーンが明確であり、企業姿勢をステークホルダーに示せる素材としての価値があるからです。「安いから使う」時代から、「戦略として使う」時代への移行。再生材が高くても選ばれるのは、その象徴です。
「品質のばらつき」とどう向き合うか

再生材導入で次によく聞かれる懸念が、品質の安定性です。
再生プラスチック原料は、石油を原料とするバージン材と比べて、ロットごとの物性・色味に変動が生じやすい特徴があります。特にポストコンシューマー材料では、その傾向が顕著です。
この”揺らぎ”を「不安要素」として避けるのか、「新しい価値の起点」として受け入れるのか。その姿勢の違いが、導入プロセスの質とスピードを大きく左右します。
現実的な進め方として有効なのは、まず内部構造部品や補助部材など、品質の変動を吸収しやすい部位から導入を始めることです。外観やブランドイメージに直結する箇所でなく、まず小さく着手し、使用経験と知見を積み重ねながら、適用範囲を徐々に広げていく。このプロセスこそが、モノづくり文化を大切にしながら変化に対応するための、誠実で合理的な方法だと考えます。
「どこを守り、どこに調整余地を持たせるか」を設計段階から織り込む。それが再生材導入の本質です。
再生材導入は「経営判断」から始まる
再生材導入が順調に進んでいる企業ほど、議論の出発点を「コスト」や「物性」ではなく、「自社としてどのような循環スキームを描くか」という経営ビジョンに置いています。
「2030年までに使用原料の30%を再生材に転換する」といった目標を掲げることは出発点として有効ですが、それだけでは十分ではありません。再生材導入を「会社としての意思決定事項」と位置づけ、全社で共有しながらロードマップを描くことが重要です。
経営としての意志が明確であるほど、現場の判断はぶれず、検討が着実に前進します。再生材導入は技術的なテーマであると同時に、「品質のばらつきと向き合う文化」を育む経営課題でもあります。
パンテックが、伴走します
プラスチックリサイクルの分野には、まだ確立された”地図”が存在していません。原料の集め方、加工の再現性、品質保証体制、供給スキーム──これらは各現場で日々検証され、少しずつ更新されています。
「誰かが地図を描いてくれるのを待つ」よりも、「自らの手で地図を描く」姿勢を持つ企業ほど、変化を好機に変えられます。完璧を待つことは、変化を先延ばしにすることと同義です。
パンテックは、不要なプラスチックの回収から再生原料加工、コンパウンド、品質管理、供給までを一貫して行う体制を持ち、これまで多くのメーカー・ブランド企業の再生材導入を支援してきました。用途や求める機能、調達量、許容できる品質変動やターゲットプライスをお伺いしながら、独自のデータベースをもとに、最適な導入・運用ロードマップを共に描きます。
理想論ではなく、実際に機能する再生材調達スキームの実装を支援する。現場での変化を後押しする。それがパンテックの役割です。
再生材の”揺らぎ”を排除するのではなく、理解し、許容し、価値へと変えていく。資源循環を本当の意味で実現できるのは、再生材を「見つける」企業ではなく、「価値観を更新できる」企業だと考えます。
その歩みを、パンテックは共に歩んでいきます。
展示会でお会いしましょう
本コラムでご紹介した内容をはじめ、再生プラスチック原料の調達・導入に関するご相談を、ぜひ展示会の場でお聞かせください。
パンテックは今秋、リブランディング後初めての展示会出展として、「第6回サステナブルマテリアル展 SUSMA」に参加いたします。「最適な再生原料を最短で供給する」をコンセプトとする展示を通じて、高品質の再生プラスチック原料や、品質管理・安定供給を支える弊社の強みをご覧いただけます。
ご来場の際は、ぜひブース番号 35-31 へお立ち寄りください。担当者が個別にご相談をお受けします。
「第6回サステナブルマテリアル展 SUSMA」への無料事前登録は、9月4日(金)までとなっております。通常、9月5日(土)以降はご登録に5,500円(税込)の入場料が必要となります。
しかし、当社では、下記ボタンからご登録いただいた方全員に、【無料】の招待バッジ(来場パス)を発行しております。
招待バッジは十分な数を確保しておりますが、数に限りがございます。
ご参加をご検討中の方は、この機会にぜひお早めのご登録をお願いいたします。
- 展示会名
第6回サステナブルマテリアル展 SUSMA(高機能素材Week内)
- 会期
2026年9月30日(水)〜10月2日(金)
- 会場
幕張メッセ
〒261-8550 千葉県千葉市美浜区中瀬2-1- ブース
35-31
- 公式サイト
「第6回サステナブルマテリアル展 SUSMA」への無料事前登録は、9月4日(金)までとなっております。通常、9月5日(土)以降はご登録に5,500円(税込)の入場料が必要となります。
しかし、当社では、下記ボタンからご登録いただいた方全員に、【無料】の招待バッジ(来場パス)を発行しております。
招待バッジは十分な数を確保しておりますが、数に限りがございます。
ご参加をご検討中の方は、この機会にぜひお早めのご登録をお願いいたします。






