2022.07.29

【ESD for 2030】瀬田工業高等学校で「プラスチックについて考えよう」をテーマに特別授業を実施

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 パンテックでは昨年に引き続き、京都先端科学大学のアドバンスト・インターンシップ・プログラム(AIP:Advanced Internship Program)*に参加しております。今年は同大学経済経営学部3年生の永井天音さんに5月〜7月の3ヶ月間、インターンシップに来ていただき、弊社の一員として業務に取り組んでいただきました。
アドバンスト・インターンシップ・プログラム(AIP:Advanced Internship Program)*:京都先端科学大学の学生が国内の受入企業に3カ月間のインターンシップを通じて本格的に企業実務を学ぶ同大学の独自プログラム。

 インターンシップではパンテックの理念や事業内容、業界動向などについて学ぶ導入研修を受けた後、OJTを実施。営業メンバーに同行して、プラスチック廃棄物の排出事業者様や弊社が提携するリサイクル工場、再生プラスチック原料のユーザー様など、弊社の取引先様への訪問、商談を重ねながら、実務に必要な知識やスキル、ビジネスマナー、仕事の進め方などを学んでいただきました。そのほか総務業務にも従事。受付業務をはじめ、各種書類や備品、施設の管理など、社員が気持ち良く、スムーズに働ける環境整備に尽力していただきました。

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 インターンシップの集大成は7月13日(水)に滋賀県立瀬田工業高等学校で実施した特別授業です。「プラスチックについて考えよう」をテーマに講師として教壇に立ち、1年生29名に対して2時間の授業を行いました。

 授業の前半はプラスチックについての理解を深めることに焦点を絞って展開。SDGsや2022年4月1日に施行された「プラスチック資源循環促進法」に関する新聞記事を切り口に、皆さんにプラスチックのメリットとデメリットをそれぞれ付箋に書き出してもらい、その後、グループに分かれて意見を整理しました。なぜこれほどまでにプラスチックが普及しているのか。それにより人類はどのような恩恵を受け、地球環境にどのような影響を与えているのか。普段の生活の中に当たり前のように存在し、使用しているプラスチックについて、改めて目を向けていただきました。

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生徒の皆さんが考えたプラスチックのメリットとデメリット

 次に取り上げたのは、デメリットとして挙げられたプラスチックが環境に与える影響についてです。事前に用意したスライドや動画を用いて、海洋プラスチック汚染やそれが食物連鎖に与える影響、そしてプラスチックが焼却されることにより地球温暖化につながることなどを解説。その上で、プラスチックを資源として循環させることの重要性についての話を続けました。
 プラスチックと一口に言ってもその種類は多く、リサイクルの工程も異なります。そこで、生徒の皆さんにも比較的イメージがしやすそうなペットボトル(PET)やプラスチックコンテナ(PP)、ストレッチフィルム(LLDPE)などに絞り、リサイクル工程をご紹介しました。合わせて、再生プラスチック原料の実物を各グループに配布し、形や色、匂いなどについても観察してもらいました。

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 プラスチック製品は身の回りに溢れていますが、生徒の皆さんはその原料を目にしたのはこの日がはじめてです。それがどのように活用されているのかについて、いくら言葉で説明を受けてもなかなかイメージがしにくいのではないか。
 そうした考えから、授業の後半では実際に再生プラスチック原料を用いたコースターづくりにチャレンジしました。再生原料から製品が作られるプロセスを体験してもらうことでプラスチックリサイクルについての理解を深めていただくことが狙いです。

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 コースターづくりはクラスの中から2名、希望者を募って実施しました。コースターの製作には弊社保有の簡易的なリサイクル設備、P.R.S.P.(Plastic Remake Studio Project)のうち、小型圧縮成形機を使用。原料にはフレキシブルコンテナバッグや不織布由来の再生原料とプラスチックコンテナやペットボトルキャップの粉砕品などを用意しました。
 それらの原料を金型に盛り、機械に入れて熱を加えながら圧縮し、成形。冷却後、バリを取り除いてコースターを完成させる。その一連の工程をやっていただきました。実際にコースターを作る生徒さんはもちろん、見学してコースターいる生徒の皆さんもプラスチックの成形工程に興味津々。前のめりになって見学する様子が印象的でした。

 授業中にはコースターは2つしか成形できませんでしたが、事前に製作していたコースターをクラス全員にプレゼントして、特別授業は終了。

 

 

 生徒の皆さんからの感想を一部、ご紹介いたします。

  • エコバッグを持ってレジ袋を使うのをやめたり、まだ使えるものは使い回したり、捨てる時もちゃんと分別してリサイクルしたり、日常のちょっとしたことから気をつけていこうと思います。
  • 海がプラスチックゴミなどで汚れてさまざまな生物に影響が出る前に、今からでもプラスチックゴミを減らそうと思いました。
  • 身近なプラスチックについて学ばせていただき、「自分でも何かできることがあるのではないか?」と考えさせられました。
  • プラスチックが再利用されていることは知っていたのですが、どのようにプラスチックが再利用されているかまでは知らなかったので、とても勉強になりました。
  • これから自分たちの未来のために、無駄に買うのをやめたり、使えそうなものは再利用したり、ゴミとして捨てるのではなく分別してリサイクルしたり、3Rを徹底し、地球を守る生活をしていきたいです。
  • 再生プラスチックからコースターを作る工程を見学させていただきましたが、元々の再生プラスチックからは想像ができないような製品が出来たので驚きました。
  • 普段なかなか見ることができないペレットや成形機を見ることができ、新鮮な気持ちで学習することができました。

 特別授業を通じて、生徒の皆さんには身近な素材であるプラスチックについて思いを巡らし、リサイクルの工程や資源循環の重要性についても理解を深めていただけるきっかけになったのではないかと思います。

 

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最後に永井さんにインターンシップの感想をお聞きしました。

 このインターンシップでは実際の業務をさせていただくことに加え、高校生への特別授業の実施という最終目標があり、当初は自分が教壇に立つことが全く想像できず、不安しかありませんでした。もともと人前で話すことが得意ではなかったので、緊張で話せるかどうかも不安でした。しかし、授業までに社員の皆さんからたくさんご指導をいただき、繰り返し練習することで、人前で話すことに慣れていきました。
 授業当日は自分が何を話したのかを覚えていないくらい緊張しましたが、授業後に社員の皆さんから「自信を持って話せていて良かった」との評価をいただくことができ、また生徒の皆さんの感想を読んで、自分が想像していた以上に良い授業ができたと感じています。今回の授業を通じて、達成感が味わうことができ、自信にも繋げることができました。
 このような機会を設けていただけたことにとても感謝しています。また、インターンシップ中は社員の皆さんが優しく話しかけて下さり、分からないことを丁寧に教えて下さるなどとても温かく接してくださいました。まだ自分は学生ということもあり未熟な部分も沢山あったと思いますが、このインターンシップに参加できたことで多くの学びを得て、視野が広がり、自分自身の成長を感じることができました。それと同時に社会人や仕事がどのようなものなのかを少しは理解できたのではないかと感じています。今回のインターンシップでの経験を今後のキャリア形成に活かしたいと考えています。
 永井さんの就職活動が本格的にスタートするのはもう少し先になりますが、永井さんの就職活動がうまくいくよう、スタッフ一同、心より応援しています。
 パンテックでは、事業としてプラスチックリサイクルのプロデュースを展開する中で培った知識と経験を次世代に伝え、SDGsの実現につなげるため、ESD(Education for Sustainable Development)*の一環として各種教育機関で出前授業を行っています。ご要望等ございましたらお気軽にお問合せください。
ESD(Education for Sustainable Development)*:現代社会の問題を自らの問題として主体的に捉え、人類が将来の世代にわたり恵み豊かな生活を確保できるよう、身近なところから取り組む(think globally, act locally)ことで、問題の解決につながる新たな価値観や行動等の変容をもたらし、持続可能な社会を実現していくことを目指して行う学習・教育活動です。
 

#1「【ESD for 2030】京都産業大学、立命館大学でプラスチックリサイクルについて講義」

#2「【ESD for 2030】大津市の中学校で出前授業を実施」

 

 またパンテックでは2023年新卒採用のエントリーを受け付けております。関心をお持ちいただけた学生の皆様はぜひリクルートサイトからエントリーいただけますと幸いです。

まとめ

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